モンサンミッシェル、私です。高騰し過ぎなのよ。
以前フレンチワークの適度な脱力具合、そして無理のない上品さが我々旦那さん世代にバチコンハマるとお伝えしました。そして同時に、私自身が気になっているとお伝えしました。良いですか?

「気になっている」
と言ったならッ!
その時スデに
行動は終わっているんだッ!
寝かせていたんだよ、クローゼットの奥にねぇ!この時期を、アウターを羽織れる時期を虎視眈々と待っていたのさ!そういうことにしておいてください。
というわけで、今回は3大フレンチワークブランドと名高い「ラブルール」のカバーオールについてご紹介していきます!もうねぇ…何も難しいことを考えなくていい、それくらいシンプルにかっこいいので、ぜひ見てください。
目次
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まさかのデッドストックを格安で購入

浜松は佐鳴台、我らのシトロン浜松本店のお隣に、そのお店はあります。
Sail on,Sailerさん、同じく浜松のセレクトショップ、メイデンボヤージュさんのオーナーさんがオープンされた素敵なお店です。
そんなお店のインスタグラムを何気なく見ていたら、あったんですよ!ラブルールのモールスキンカバーオール、タグ付きのデッドストックがさ!!

えぇ?マジ?ラブルール側に「どこで買えるん?日本の取扱店ないのん?」ってチャットGPTを駆使して送った直後に?
というわけで、浜松のシトロンまで来られたら、その足で隣も覗いて見てくださいね。今月から新体制で、新しいスタッフさんがいらっしゃるとのこと。
で!物はまぁ見ての通り、カバーオールです。なのでその説明の前に、まずラブルールってどんなブランド?ってところを紹介していきましょう。
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ラブルールについて
正直、フレンチワークが好きな人でない限り、知らない人が多いと思います。それもそのはず、日本での正規取扱店は存在しません。え?ソース?

直で聞いたんだよ
(王者の風格)
「残念ながら、日本には正規取扱店が無いんだよ~。だけど、海外輸送にも対応しているお店が日本の近くにもあるから、そこで買うと良いかもね(ざっくり意訳)」ですって。丁寧過ぎてマジでラブです。
んで、そんなラブルール、フランス語で農夫を意味する単語らしく農業・職人用のワークウェアを作るところからスタートしたブランドです。創業は1956年、実は結構新しいんですね。そのおかげか、後述する他のフレンチワークブランドと比べてもっさり感が控えめです。

しかし、じゃあこだわりが無いのかというとそんなことはなく、「フランス国内生産」「機能美」「素材や縫製のこだわり」をブランドホームページにしっかり明記するくらい、ちゃーんとこだわったブランドです。
実際「道具としての服」をブランド自身が謳っていることもあり、デザインはあくまでもシンプルで機能優先。バシバシ着倒してようやく味が出てくるというレビューが、フランス本国のお店と思しきブログから読むことが出来ました。
我々日本人が思い描く「フレンチワーク」のど真ん中、王道を行くブランドなんだね
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他のブランドとの違い


古着市場でよく見るアドルフラフォンや、ちょこちょこ新品で取り扱っているセレクトショップも見られるトラヴァイユールガリス(以下ガリス)と比較してみましょうか!
アドルフラフォンが1844年、ガリスが1895年に創業しているため、ラブルールはかなり後発です。しかしそれらブランドは文字通りヴィンテージの域まで突入しています。アメリカ物ほどは注目されていませんけどね。
まずアドルフラフォンはラブルールと思想が同じ、職人目線のブランドです。というか、ラブルール以上にガチ勢御用達となっています。古着屋さんで見たことある方も多いと思いますが、ものっそい粗野でしょ?例えるなら、1800年代のワークマンなんですよ。
なのでラブルールのように現在までモノ作りをしているわけでもないので、普段着としての使いやすさは全く考えられていません。ゆえに、コーデに取り入れるのがそこそこ難しい。取り入れやすいアイテムは古着市場だと高額で取引されるほどタマが少ないです。
次にガリス、こちらは現在も続いているブランドです。が、こちらは特にヴィンテージを意識しており、今作られているアイテムも、当時の形から変えていません。大きめのラウンドした襟、エルボーパッチなどクラシカルなディティールを残しています。
全然悪いことじゃありませんし、そちらの方が好きな方も多いと思います。なので日本ではラブルールとガリスがよく取り上げられているのだと思います。個人的なお話をするなら、ガリスはかなりヴィンテージを意識している余り、取り入れやすさはあまり考えられていません。
そもそもフレンチワークのモールスキンジャケット自体がクラシカルなアイテムなので、ラブルールくらいのこなれたモディファイド具合の方がずっと使いやすいです。あくまでも好みの範疇ですけどね。
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モールスキンジャケットを見てみよう
ではお待ちかね、本題のカバーオールを見てみましょう!結局ね、物がどんな感じか気になる方の方が多いでしょう!?写真バシバシ撮ったんでね、ゆっくり見てやってくださいな。

まず全体像はこんな感じ。はい、普通のジャケットです。サイズは2という表記です。174cm/62kgの私が着てジャストなので、M/Lサイズ相当かと思います。生地の厚みもありますが、全然突っ張ることの無い程よいリラックス感です。
はい、ディティール自体はいたってシンプル、3つのパッチポケット、2つの内ポケット…以上。最低限、仕事着としてはぶっちゃけ(もうちょいポッケあった方がよくね…?)と思うくらい簡素な作りですが、袖のトリプルステッチなど作りはおっそろしく頑丈です。
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工業化の中に感じる温もり

小ぶりな襟…これがまたね、良いんですよ!中にシャツを入れても干渉しない、だけどクルーネックなど首元の高さに乏しいインナーとも相性抜群。恐らくラブルール側もそこまで考えていないんでしょうが、これくらいの大きさが年齢性別を問わず、使いやすいかと。

というか、ぶっちゃけオレンジ色のツイル素材のカバーオールと見比べると良く分かりますが、ここは恐らく生地違いでべらぼうな量のラインナップを作っているようです。ウール素材とかもあるっぽいですし、不思議な色のものも見つかりました。
こういうところがいかにも工業感を強く感じて、ワークウェアらしくて好きです。全然用途は違いますが、ワークウェア界のユナイテッドアスレですね。あちらはボディブランドですが、いずれにしても「幅広い用途、年齢層のためにカラーや素材を展開する」という数の暴力による制圧の仕方、あまりにも脳筋過ぎて堪りません。
分かりますよ?職人が一点一点丁寧に、ってのもロマンがあって大好きです。しかしこちらはワークブランドなんです。手工業ではとてもおっつかんのよ。その中でいかに丈夫に、そしてクラシカルさを残すかがブランドの腕の見せ所であり、ラブルールはそこら辺が本当に上手。
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極厚なのにしなやかなモールスキン

おまちかね、モールスキン素材です。モールスキン、もぐらを彷彿とさせる微起毛した生地、これがまたクオリティ無茶苦茶高いのよ。
いや、もちろんギザコットンとか使えばものっそい光沢を作りだせるんでしょうけど、あくまでもワークウェア、耐久性最優先のジャケットに使うわけないだろバーカなんですよ。
なので恐らく普通のコットンで織り上げて、普通に染色しているんでしょうけど、それらすべてがフランス国内で行われてるんですね。公式ホームページにそう書いてある。
日本製、アメリカ製、そしてフランス製…そこで作っている=ハイクオリティってわけではないのです。分かっている。○○製に踊らされることは愚か、とても理解しています。
でもなんかいいよね
フランスで一貫して生産しているってのにこう…グッと来ません?なんか空気を感じてしまうというか、脱力した上品さを全身で感じられるというか…?気のせいですねそうですね。

まぁそれを抜きにしても、すごーく良い表情をしたモールスキンが使われています。まだ水通しをしていないので、特に強い光沢を放っています。洗えばもっと柔らかく、温もり溢れる表情に変わる事間違いなしです。
そしてあまりにも生地が厚すぎるためなのか、ステッチの糸が爆ぜています。ナイジェルケーボンのベーシックチノでも同じようなものが見られますが、それだけ生地がしっかりしているんだと感じられて、個人的にワクワクします。
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フランス感じる(そこにそんな力入れる…?)ポイント

まず、内ポケットにブランドのロゴ…というにはあまりにも大きすぎる絵。こちら、ジャガード織です。プリントでもステンシルでもない、金色の糸を使って畑を耕す農夫を描いています。この大きさ必要?ここまで凝らなきゃダメ?とか言ってはいけません。
これが彼らのこだわりであり、ラブルールをラブルールたらしめる重要なポイントなのですから。アローズ別注のオレンジ版には無かったですが、本国の製品は全て刺繍にて内ポケットに農夫が鎮座しています。ラブルールは常に内に存在しているわけですねぇ。

あとトリプルステッチの真ん中だけ赤紫色なのはマジで何?小洒落?遊び心なの?突き詰めるところは突き詰め、そぎ落とす。一方でほんの少しの遊び心も忘れない…それがフランス人の粋なところなのかもしれません。
知 ら ん け ど
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着てみる

はい、まずは普通に羽織ってみました。サイズ2、もう完璧。袖の長さまでピッタリです。やはりユーロ系のジャケットの袖の長さ、私にドンズバなんですよね。カフスボタンを締めると、結構きゅっと細い印象です。だからこそ上品に見えるんだと思います。

正直胸ポケットのピスネームが無ければ、シンプルでミニマルなカバーオールです。ただやはり、着丈も程よく短いので野暮ったくならず、だけど短すぎない絶妙な長さになっています。

装飾性がかなりそぎ落とされたミニマルなアウターだからこそ、目に見える少ない情報のクオリティが目立つ目立つ。そしてそれが、きちんと成立しています。
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ユーロワーク全開

シャツとボトムスは、安定と信頼のワーカーズです。ややアメリカンな雰囲気のあるアイテムたちですが、その土臭さがラブルールのカバーオールと対峙したとき、生まれた化学反応がこちらです。

何の文句がありますか?
足元も浅草メイドのアメ靴ブランド、ウィールローブです。もうこのカバーオール以外、アメリカンワークなパワーが凄まじいでしょ?でもそれを中和してしまう力強さ、それがこのカバーオールにはあるってわけ!
本音を言うなら、ボトムスのシルエットが完璧すぎたね。館野さん、誇ってください。それが手向けだ…!
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安心と信頼のフランスコーデ

アッハッハ…圧倒的親和性私爆発皆大歓喜小遣爆死(白目)
特にこのパンツは頭おかしいから買ってください
フランス製のM-47が2万円以下なんてあってはならない
そりゃオールフランスコーデにしてあげれば間違いないでしょうよ。しかもフレンチワークとミリタリーの融合?ハァ?勝てねぇよ。

モノトーンは一切身に纏っていないのに、しかもフォーマルなアイテムは何もないのに…なんでこんなに上品なんでしょう?おバグ?おバグり召されている?
ほんと、フレンチカジュアルのすごいところをぎゅっとまとめると、このコーデになります。このコーデ嫌いな人いますか?いたら引っ叩いてあげるので右の頬を差し出してください。右フックをお見舞いします。
打たれるの左頬では…?
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シンプルなのに美味い

もうお分かりですね?無塩ナッツなんですよ、ラブルールのモールスキンジャケットは。飽きが来ない、シンプル、ゆえについ手が伸びてしまう。
以前はFOBでええやーんなんて言うておりましたが、同じ価格出すならフランス製のラブルールやガリスを買うてもいいんじゃないかなと思います。もちろん、FOBのジャケットも素晴らしいですけどね。
そしてガリスとラブルールは、基本的に似た価格かややガリスの方が安いです。が、なんちぅか…古臭いと感じてしまうバランスなんですよ。その点ラブルールは良くも悪くも普通です。だからこそ他のアイテムで整えやすい。


ワークにも、ミリタリーにも化けるシャレオツカバーオール、皆さんも今時期から活用してみてください。流行り廃りに全く流されない、永遠の定番ですからね!