仰々しい時は大抵ふざける、私です。

もう認めます。ニューバランスはお洒落スニーカーの代表格です。逆張りしても仕方ない、それほど多くの人が履いている。もうお洒落という地位を、市民権をニューバランスは得ている訳ね。
ユニクロとコラボするニードルス然り、ベイシングエイプ然りそうした市民権を得たブランドってのは、得てして理由があります。そしてその状態になった時、多くの服好きは離れていきます。
それがなぜなのか、そしてその中でもニューバランスはファッショニスタからこよなく愛されている理由は何なのか!
多くのインフルエンサーが取り上げては「なんかわかんないけどニューバランスには独自の良さがある」と締めくくっています。しかし、「何となく」とか「らしさ」で誤魔化してしまっては、本当の良さがインフルーエンス出来ないじゃありませんか!
お、なんか今日も面倒なテンションだな
と言うわけで、今回はニューバランスがなぜお洒落なのか、特にトラッドなコーデを好む多くの人がニューバランスを履くのかについてパンピーである私が言語化して見ようと思います。
目次
スポンサーリンク
お洒落の定義とブランド力の向上という相反性
そもそも、上記のニードルスやエイプのような「一時期一世を風靡して気が付いたらマス層に認知されたブランド」には、共通点があります。それは一さじのダサさ、これだと思います。
正直、ニードルスやエイプを「ゴリッゴリにお洒落じゃ…革命じゃ!」と思って着ている人は、今日日いないんじゃないですかね?あ!もちろん、好きな人がいて然るべき、全然あなたを否定しているわけじゃないんですよ!?

ただ、マス層に広がる為には、ほんの少しダサい=分かりやすいディティールを意識する必要があるわけですね。ニードルスは蝶の刺繍、エイプだったらあの類人猿(あれをそう呼ぶ人いるんだ)のプリント、みたいな。
誰が見ても「あ!エイプじゃん!ニードルスのトラックパンツじゃん!」ってなること、分かりやすいことがブランドを広げる上では大事になってくるわけね。
そして、お洒落は差別化…即ち分かる人が分かる、それを意識した着こなしこそ最も重要なこと。マス層に媚びたブランドから、服好きは自然と離れていきます。よって、分かりやすいディティールはお洒落と対極にあるわけですね。
まとめると我々は市民権を得た、猫も杓子もジジイもガキも着用している服に死ぬほど興味が無いわけです。
ここまでの内容、何となく理解できますかね?
スポンサーリンク
ニューバランスらしさって何だろう?
翻って、ニューバランスってどうですか?分かりやすい素材使い、独特の切り替え、サイドの分かりやすいNロゴ…そう、まさに週末の多くの人を足元から支えているだけあって、分かりやすいですよね?
更に、世間一般がイメージするニューバランスって996とか574みたいな、オールドスクールでクラシックなモデルじゃないですか。そうした尖り過ぎていない雰囲気も、マス層に選ばれる大きな要因だと私は考えています。
お?そうすると、ニューバランスもダサいってことになるのでは?
その通り、分かりやすさを最大限に意識したデザインゆえに、何も考えず足元に持ってくると、もっさり冴えないおっさんになることは間違いないでしょう。差別化も極めて困難ですからね。
が、ニューバランスの本当の良さってのはそこじゃありません。多くのインフルエンサーが何かよくわからないニューバランスらしさ、ここにヒントがあると踏んでいます。
それは、”いなたさ”です
スポンサーリンク
新しさと古臭さの絶妙なバランス

多くの人がニューバランスらしさと称しているのは、間違いなくいなたさです。いなたい、まぁざっくり言うと「田舎臭い、古臭い」ってことですね。私はよくレトロフューチャーとか言ったりしますが、まさにそういうことです。
このいなたさは、ニューバランスと一目で見て分かるアイコニックさに繋がっていると同時に、原理主義を重んじるトラッド界隈の人たちにとっての最適解に近い答えを叩き出しているのだと、そう思うわけです。
多くのトラッド野郎が足元に革靴を持ってくる理由、それは紛れもなく「トラッドな歴史や雰囲気を感じる筆頭が革靴だから」に他なりません。一方、革靴ほどデザインに意味のある履物はないので、どうしても差別化するには素材や仕上がりの良さ…
即ち手に持って殴れる札束の厚さ勝負にならざるを得ません。
一方で歴史を感じるローテクスニーカー、こちらもまたコート系や昔のランニングシューズのような、分かりやすいデザインのものが多い。ここでも差別化が難しいわけです。なので多くのトラッド野郎は、足元はパーツとして考え、個性は他のアイテムや着こなしで出そうと画策します。

が、ニューバランスはどうでしょう。ローテクほどミニマルでなく、ハイテクほどメカニカルに尖っていない。さらに他のスニーカーブランドと比べて、正直ものすごく洗練されているわけでもありません。違う、褒めてますよ!?
適度にいなたい、ダサかっこいいからこそトラッド好きの足元を彩れる唯一無二の個性を持っているんです。そのバランスがここまで高次元なのは、ニューバランスが突出していると個人的には考えています。
他のメーカーは、正直スタイリッシュすぎるか、古めかし過ぎるんです。レトロフューチャーを地で行くのは、ニューバランスだけじゃないでしょうか。
スポンサーリンク
レトロフューチャーはトラッドなのか?
レトロフューチャーと言うと聞こえはいいけど、要するに一昔前の最先端でしょ?中途半端じゃない?
おぉ、その意見を待っていました。そう、レトロフューチャーとはまさに、数十年前の最新です。ニューバランスはその雰囲気を損なわずに復刻するのがとても上手なわけですが…一歩間違えれば足元だけ妙にモッサリした人になる可能性も、当然孕んでいます。
だから差別化になるんだよ
正直、ニューバランスを履くと多くの人は「ニューバランスを履いている人」になります。それ以上でもそれ以下でもない、足元にNロゴを付けてドヤっているだけの人になるわけです。そこにお洒落やダサいの概念はなく、事実だけが残る。

そう、ニューバランスの強い個性をコーデのアクセントにするには、それ相応の考えや知識が必要なんです。トラッド畑だと特に。だからこそ、コーデに取り入れる人が少ないわけです。かのシトロン長沼氏も、私がその時履いていた2002を見て言いました。
ニューバランスは顔の圧が強いなぁ
とね!ネオトラッドの牽引役である彼がそう言うほど、ニューバランスをコーデのアクセントに用いることは難しいのです。しかしそれはきっと、セレクトショップのオーナーにして、アイコンとしてファンに魅せる分かりやすさを求められる…そんな制約の中で戦っている彼だからこそ出た言葉なのかもしれません。考えすぎかもしれません。
そして、ニューバランスがトラッドかどうかなんて、もう分かり切っていることじゃないですか。トラッドだよ、当たり前じゃないか。
歴史の重みが違う。むしろその歴史の重みをそのままに、当時の技術力を継承し続けて履き心地の良さといなたい可愛さを残したルックスを両立させている。
トラッドじゃ無かったらここまで熱心なファンはついてこんのよ。そしていなたい=ダサいではないのです。そのいなたさが、トラッドなアイテムたちの角を適度に丸めてくれているというわけです。
スポンサーリンク
差別化するためには
最後に、町中で氾濫しているニューバランスのスニーカーで差別化するための極意をお教えします。なぁに、簡単です。
まずは奇をてらうことなく履き心地の良いものを選ぶ、これです。見た目関係ないじゃん、と思われるでしょうが、んなこたぁ分かっているんですよ。
今や浸透しきった薄底ブーム、これももう間もなく終焉でしょう。なぜって?
痛ってぇからです。
クッション性のない、曲がるべきところで曲がらない見た目重視のスニーカーが乱立しています。そもそも履き心地が悪い分野なので、粗悪に作っても「底が薄いので疲れやすいかもしれませんが、仕様です(にっこり)」と伝えれば納得するでしょ?
でもね?お洒落は我慢だと言いますが、痛みに人は耐えられないのですよ。その点ニューバランスは、昔ながらの技術をアップデートしているおかげで、やっぱり痛みが全然ない。
もちろんファッション性を重視した、履き心地度外視のモデルもあります。そうしたモデルは避けることです。困ったら…もう言わなくてもいいね?あんまりリンク貼り過ぎると迷惑になるからね。靖青さんのブログに行くんだよ。
スポンサーリンク
まとめ
ニューバランスは世間的なマス層に受け入れられやすいディティールを有していながらも、ただ享受するだけではお洒落に慣れない適度な難しさがある。だからこそ、お洒落さんたちはその難しさを武器に、コーデのアクセントに繋げている…ゆえにお洒落好きからも支持があるというわけですね。
これって、着ていれば何となくかっちりした雰囲気が作れる一方で、仕事帰りに見られかねない難しさもある…トラッドにそっくりじゃありませんか!?
どこか変化させないとコスプレで終わる、なのにそれが逸脱すると途端に安っぽくなる。
なので今トラッドを楽しむためには、新しいけど懐かしいニューバランスが最適なんじゃないでしょうか。しかも難しさがきちんとあるので、服好きとしてもその難しさをどう個性に落とし込むのか考えるのが楽しくて仕方ないでしょ?
そもそもその難しさって何さ
やはりニューバランスと一目でわかる主張の強さと、全体的にシャープになり切れないもっさりデザインでしょうか。褒めてますからね!?何というか、履き心地がよくないといかんでしょうという心情が伝わってくるデザイン、機能優先なところです。
↑ワークマン版2002
だけどワークマンみたいに機能100%になっていない理由は、恐らく当時の開発陣が真剣に考えた「ぼくのかんがえるさいきょうのスニーカー」デザインを、きっちり現代にアップデートしているからでしょう。
流行なぞ関係ない、履き心地が良くてかっこいいスニーカー…ニューバランスは唯一、そうした流行り廃りに流されない(まぁ流されたモデルもあるっちゃあるけど)メーカーなのです。
どうでした?我ながら引くほど面白くない記事になったと自負していますよ?…でもこういう真面目なことを書いてる時も楽しかったりするんです。まぁ頭でっかちなだけなんですけどね。